融資判断で問われるのは、売上予測の派手さではありません。採用、仕入、広告、開発の支出が先に出て、回収は後になる中で、前提が外れた時に会社が現金を守れるかです。計画には数字だけでなく、何を見て、誰が、何を止めるかまで入れます。
売上予測を、検証できる前提に戻す
「前年比130%」を、売上の発生源へ戻す
前年比は結論であって根拠ではありません。製造業なら受注残・稼働率・納期・供給能力、SaaSなら商談数・成約率・解約率・ARPA、店舗なら客数・客単価・営業日を置きます。売上が誰の、どの行動から、いつ生まれ、いつ入金されるかまで分けると、予測の更新方法も明確になります。
支出は、売上より先に増える
採用した営業の給与と社会保険料は入社月から発生しますが、教育、商談、受注、納品、請求、入金までには時間がかかります。施策ごとに支出開始月、月額または一時支出、粗利への寄与開始月、成果が出ない場合の停止条件を置きます。必要なのは採用費の総額ではなく、成果が入金になるまで会社が負担する現金の最大額です。
三つのケースで、崩れ方を具体化する
標準計画に加え、主要顧客の更新が三か月遅れる、成約率が下がる、原材料単価が上がる、売掛金の回収が一か月延びる、といった現実的な下振れを置きます。全項目を一律に20%下げる表ではありません。どの変化が資金に最も効くかを知り、経営会議で先に打ち手を決めるための表です。
止めることを、数値で決める
たとえば13週間資金繰りの最低残高が給与一か月分を下回る見込みなら未契約の採用を止める、三か月累計の商談数が計画の70%未満なら広告費の配分を見直す、といった基準です。萎縮のためではなく、投資を続ける条件と現金を守る条件を、感覚でなく合意済みのルールで判断するための仕組みです。
P/Lではなく、月次の現預金残高まで落とす
黒字でも、売掛金や在庫が増えれば現金は減ります。借入元金の返済は現金支出ですが損益計算書には出ません。期首現預金に入金を足し、支払、投資、既存・新規借入の元金返済を引いた月次残高を作り、平均でなく期間中の最低残高を見ます。賞与、納税、据置終了、繁忙期前の仕入を同じ表に重ねます。
面談前に、経営者が自分の言葉で答える五つの質問
- 01売上は、どの顧客・案件・行動から生まれるか。
- 02先行して必要な支出は、いつ、何のために発生するか。
- 03売上は、いつ現金として回収されるか。
- 04前提が外れた時、何を止め、何を続けるか。
- 05返済開始後も、最低残高を維持できるか。
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