pre-moneyと投資額が同じでも、会社に残る選択肢は条件で変わります。SOプールをいつ増やすか、優先株式の分配はどうなるか、誰の同意が必要になるか。タームシートは価格表ではなく、調達後の会社の運営設計です。
最初の48時間で比較する論点
評価額を、必ず株数の表に落とす
発行済株式、SO・転換証券を含むfully diluted株式、SOプール増額後、投資後の四列を作ります。投資前にSOプールを増やすのか、投資後に全株主で負担するのかで、同じ評価額でも希薄化は変わります。『post-money 25億円』だけでは、何を分母にした数字か分かりません。
SOプールは、採用計画から逆算する
VP of Sales、プロダクト責任者、シニア人材、昇格・追加付与枠を、採用時期と付与レンジで積み上げます。必要枠が明確なら、SOの増額は慣行ではなく事業計画を実現する投資として説明できます。逆に根拠のない大きなプールは、既存株主の希薄化を曖昧にします。
優先株式は、低いExit額から読む
優先分配の倍率、参加型か非参加型か、複数ラウンドの優先順位、M&Aのみなし清算、ドラッグ条項との連動を確認します。売却額を0円から段階的に置き、投資家が優先分配を選ぶ場合と普通株式へ転換する場合を試算します。高いExitだけを見ると、普通株主に何が残るかという重要な違いを見落とします。
拒否権は、会社の速度を落とさない粒度で決める
投資家の事前承諾は重大なリスク変化を把握するために必要です。ただし日常業務まで個別同意が必要なら、実行が遅れます。年次予算内の採用、一定額までの投資、緊急時の扱い、回答期限を具体化し、取締役会・株主総会・投資契約の権限を一枚に整理します。
独占交渉の間にも、資金繰りは進む
タームシートには、秘密保持、独占交渉、費用負担など拘束力を持つ条項が含まれることがあります。資金繰りには署名日ではなく払込見込日を置き、1か月・3か月遅れた場合に何を止めるかを決めます。最終契約、機関決議、払込、登記を論点管理表で進め、赤入れの往復だけで経営判断を埋もれさせないことが重要です。
タームシート受領後の確認事項
- 01評価額の分母とSO・転換証券の扱いを確認したか。
- 02SOプール増額の時期と希薄化の帰属を試算したか。
- 03優先権をExit額別に試算したか。
- 04プロラタ権の最大行使時の株数を置いたか。
- 05DDから払込までの資金繰りを更新したか。
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