CFO MAGAZINE / BANKING2026.09.23
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銀行融資 BANKING

銀行面談の前に、月次試算表をどう読み替えるか――数字の説明を事業の言葉にする

試算表を提出物で終わらせず、事業の変化・資金への影響・次の相談を一枚につなげる。

月次試算表を提出しても、銀行担当者が知りたいことにはまだ答えられていないことが多い。問われるのは売上高そのものではなく、なぜ増減したのか、その変化は続くのか、返済と成長投資を両立できるのかです。会計の一覧表を、事業の変化と資金の動きを説明する資料へ読み替えます。

同じ売上増でも、銀行に伝える意味は違う

試算表の見え方事業の言葉に直して確認すること
既存顧客の発注が増えた継続性、契約期間、上位顧客への依存度、粗利。
単価を改定した価格転嫁の定着、失注・数量減、改定後の受注。
大型案件を計上した単発か、次の受注・入金・再現性はあるか。
新規顧客を獲得した獲得コスト、立上がり期間、受注残・商流。
01

月次試算表は、提出物ではなく対話の起点

銀行が知りたいのは残高そのものではありません。融資資金が何に使われ、どの事業活動から現金として戻り、循環が崩れた時に経営者が何を把握しているかです。売上が15%増えていても、それが既存顧客の継続拡大、価格改定、単発の大型案件、新規販路のどれなのかで、返済原資としての確からしさは変わります。

02

利益より先に、数字の鮮度を確認する

締め日が遅い、売上計上基準が月ごとにぶれる、棚卸・未払が後追いになる状態では、説明の見栄えを整えても信頼は続きません。前月実績をいつ確定できるか、計上基準と入金サイトの差、在庫・仕掛の実在性、債権年齢表と支払予定表を確認します。未確定や修正の可能性を隠さず、どこまでが確定値かを説明できることが重要です。

03

P/Lは、三つの分解で読む

売上の発生源、利益率の変化、固定費の先行という三つに分けます。営業利益が前年同月より300万円減ったなら、『人件費が増えた』で終わらせません。既存顧客の発注、新規案件の検収時期、外注比率、先行採用、展示会・採用媒体の出稿などに分け、各論点をいつ何で確認するかまで置きます。

04

B/Sには、利益が現金にならない理由が出る

売掛金、在庫・仕掛品、買掛金・未払金、借入返済の順に見ます。売掛金の増加が成長による正常な増加なのか回収遅延なのか、在庫が成長投資なのか滞留なのかを分けます。資金に効く三〜五科目だけを選び、『先月から何が動いたか、なぜ動いたか、いつ戻るか』を一枚にすれば、試算表が将来の資金需要を話す道具になります。

05

返済可能性は、P/Lでなく資金繰り表で確かめる

営業利益が黒字でも、元本返済、設備投資、消費税、賞与が重なれば現預金は減ります。営業収支、投資収支、財務収支、税金・社会保険を分け、月末残高の最低水準を置きます。予測と実績の差がなぜ生まれたか、今回はどう直したかを説明できる会社ほど、事業計画と資金繰りを日常の管理に使えています。

06

面談前に、試算表の要約を一枚つくる

今月の売上・利益・現預金、変化の理由、業種に応じた先行指標、今後の返済・大口支出・最低残高、今回銀行に相談したい判断の五項目で十分です。最後に『いつまでに、何のために、いくら必要か』『返済原資はどこから生まれるか』『外れた時に何をするか』を一文で書きます。これがない面談は報告会で終わります。

面談の三日前に確認すること

  1. 01試算表の締め日と未確定・概算の科目を把握している。
  2. 02売上を顧客・商品・単価・数量・計上時期まで分けて説明できる。
  3. 03粗利率の変化を原価・外注・構成・案件別採算で説明できる。
  4. 04売掛金、在庫・仕掛、買掛金の増減理由を確認した。
  5. 05試算表の利益と現預金増減の差を説明できる。
  6. 06今回、銀行に判断してほしいことを一文で書いた。

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